ライセンサーが倒産した際のライセンシーの保護【ライセンス】

2003/04/06  知財豆知識 

日本経済新聞(H15.4.5)日刊 第一面より

経済産業省と特許庁は、近年の企業倒産増加を受けて、ライセンシーの保護の検討に乗り出した。

経営破綻や合併・買収により、対象技術の所有権が移転した場合、特許権等の実施契約が破棄される事例があることに対応したものである。

特許権を第三者に証明するための登録制度の新設や契約書作成時の公証人の立会制度の検討していくようである。

(私見)
現行の実施権登録制度(特許法第99条第1項等)(※注1)との違いが今のところ明確ではない(※注2)ため、検討結果が出た際に、研究してみたい。また、公証人の立会を契約の用件とすることの現実性に、疑問がある。

※注1;(特許法第99条第1項)通常実施権は、その登録をしたときは、その特許権若しくは専用実施権・・・(中略)・・・・をその後に取得した者に対しても、その効力を生ずる。
※注2;特許法第99条第1項によると、登録しておけばライセンサーの倒産等により、破産管財人が契約を解除しようとしても大丈夫であるかのような気もする。

しかしながら、一説によれば、これはあくまでも契約が完全に成立しておればの話であり、例えば、実施許諾用件である実施料の支払いが一括で支払い終わっておればともかく一定期間毎に随時支払うような契約の場合には、払い終えていない期間の契約については解除しうる・・・・との見方もあるようである。
一方、ライセンス料の支払いは、実績を加味して事後に支払う場合が多いという実情を考えるとたとえ特許庁に登録してあったとしても、ライセンサーの倒産等には注意する必要がある。

そういった意味では、今回の特許庁の取り組みは歓迎されるものであり今後の経過に注目したい。


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